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窓リフォーム 戸建て事例

窓リフォーム ハツリ工法
窓リフォーム – 5

こんにちは。
今回はいくつかある窓リフォームの中の【ハツリ工法】と言われる窓交換型のリフォームについての紹介です。

この記事は こんな方にオススメ

・木造戸建て住宅の 窓(サッシ)の交換工事 を検討中の方

・窓リフォームについて、どんな選択肢があるかお悩みの方

・窓リフォーム工事の ハツリ工法を知りたい方

目次

築30~40年以上の木造戸建て住宅の場合、窓も劣化してきて開閉しずらくなったり、なにより寒いから何とかしたい、とリフォームを考える方も多いです。特に築25年以上(2000年前後以前)の場合、サッシの気密性がそれほどでもなく、スキマ風による様々なお悩みにストレスも溜まることと思います。

又、住まい手の家族構成や年数経過により、生活スタイルが変わったり窓の使い方が変わったり等から、不便やストレスが増え、窓を交換して快適に暮らしていきたい、という想いからリフォームをする方が増えています。 
 現在のサッシは断熱性・機能性はもちろんのこと、色揃えも豊富で、外観側の色と室内側の色が異なる色(外観:ブラック/室内:ホワイト)に出来る商品も有り、インテリアに合った窓廻りにイメージ一新が図れるのも窓リフォームの人気の一つです。

*ハツリ工法 は 建物の外科手術

 【ハツリ工法】は窓リフォームで窓を全面的に交換する場合に行う工事です。これは建物の躯体の一部である下地材に固定されているサッシ枠を取り外して、新たなサッシを取り付ける交換工事で、いわば外科手術のようなリフォームになります。

サッシ枠を躯体から取り外すために、室内側は壁を一部はがしたり、外部側も外壁を一部削ったりめくったりして、下地まで表わしにして、枠を取り外し、新たな枠を取り付けます。取り付ける下地材が痛みや劣化が激しい場合は下地材も交換したり補強したり等を行う場合もあります。 枠を取り付けたら、防水処理や左官を行い、仕上げを施します。室内側も窓枠を新たに取り付けたり、断熱材を新たに入れたり、クロスの場合は下地となるプラスターボードなどを張り、クロス仕上げを行う、など、工程も多く複雑になります。

その為、ハツリ工法でサッシ交換を行う戸建ての窓リフォームは大規模改修工事・全面リノベーション工事などという、フルリフォーム工事の場合に行うことが多い方法です。

また、カバー工法では対応できない窓種類(デザイン窓へ)や機能面の変更希望、見た目を以前の(昔の)ようにキレイに元通りに、という想いを強くお持ちの住まい手の場合によく選択される手法です。

*費用が掛かる

ハツリ工法で窓リフォームする場合、窓=サッシ自体の費用や取付費用だけでなく、外壁の補修費や再建費、室内側の補修費ややり直し工事費、断熱材費用など多岐に渡ります。 
 逆に外壁もキレイにしたかった、室内側にも断熱材を入れたい、コンセントなど電気配線や間取り変更リフォームなどアレコレと行いたいと考えている場合は、一緒に工事が出来る為、総額費用はアップしても、相対的に価値基準は良くなる、と言えるでしょう。 
 費用を抑えたい場合は、カバー工法という既存のサッシ枠は残して新規の枠をかぶせて作っていく工事によって、外壁側も室内側も基本的にいじりませんので余分な費用は発生しません。
 窓を塞ぎたい場合は、外壁・室内壁を作る工事になるので、やはり少しは費用発生しますが、窓を塞いだ壁面を上手くインテリアのアクセントにする等、新たな部分に費用を掛ける、という考えも有ります。
 とりあえず何とかしたい、という方には内窓リフォームという選択肢もありますが2重窓になります。 
窓リフォームは様々な選択肢が有りますが、キレイにスッキリ新築のようになるのは、このハツリ工法といえます。

*工事に慣れた大工・棟梁、職人さんが必要

ハツリ工法の場合、下地の状況を確認したり、既存の躯体部分等をどこまで活用するか取り換えるか等を検討しつつ、サッシの採寸も行い、サイズの特注オーダーをかけて、納期をみながら窓取り付け工事を行うことになり、工期や季節(雨風が入らないように)など配慮することが多くなります。(取り外したら新規分をすぐに取り付けたい) 
こういう工事に慣れた大工(棟梁・親方)さんと設計担当者(私)、サッシ担当者は一緒に相談したり、難しい事や変更になるような事があればお客様に伝えたり現場で説明したり等、皆さんで協力して進める必要があります。最近は熟練の大工さんや工事を担ってくださる方が減ってきて、それゆえこのような難しい工事ができない場合も増えていっています。

*従来のサッシの取外しが困難な場合 

 ハツリ工法など躯体をいじる工事の場合、従来のサッシがタイル壁に埋め込まれていたり等、取り外しが困難な場合もあります。(タイル壁を取り壊すことができればいいのですが) 
 取り外しが無理な場合、カバー工法にする、という選択肢もあります。また、従来の開口部分の内側に下地をこさえて、少し小さくなりますが、新たにサッシを設置することも可能です。その場合は、外壁を新たに足す必要があるので外壁工事は発生します。室内側も小さくなった部分の壁面を作る必要があるので、室内壁を作る直す等、内外共に工事は必要になります。
 RC造のマンションの場合、サッシ枠は躯体に埋込まれており、撤去するのは困難です。鉄骨造の場合も溶接されている為、無理です。そのような場合は、カバー工法で既存枠の上から新規枠を覆いかぶることで、新たなサッシにすることが出来ます。

カバー工法の場合

・新規の サッシ重量 に注意

 古いサッシに比べて新規のサッシはペアガラス、トリプルガラスといった断熱サッシのため、サッシ障子(開閉する部分 ガラス+障子枠)が重く、引き違い部分が2枚、4枚と幅広になったり、掃き出しサッシのように高さ方向に大きいサッシ窓の場合、全体重量がかなり増します。 
通常の使う際の開け閉め時は重さで開けにくいことがないようレールやコマに工夫がありますが、工事として考えた場合の重量は絶対的に増えてきます。なので、新たなサッシに交換する際は重量に耐えうるよう、下地の見極めや補強等が、場合によっては必要になってきます。

・タチの調整

リフォームで難しい事の一つに、水平垂直を出す=タチを見て調整する、という作業があります。
年数が経っていると建物の水平垂直が微妙に変化しています。窓の上と下でスキマの寸法が違ったりするのは、歪んでいる、平行四辺形になっていたりするからなのです。これらの調整は窓に限らず、リフォーム工事の中では難しい作業となり、実際測ると、1、2㎜だったりですが、やけにスキマが気になったりするので難儀です。これらタチ調整や、寸法誤差等も踏まえて、サイズ採寸や取り付けを行う必要があり、この調整作業で難易度がグンっと上がります。 

*引き違い窓(雨戸付き)を 電動シャッター付き窓に

これは築40年以上の和風の木造戸建て住宅の事例です。この場合、従来の窓はアルミサッシでしたが、面格子や雨戸は木製で作られており、和風のただずまいを大切にしてこられました。
代替わりとなり全面リフォーム(リノベーション工事)の中で、サッシも横引き雨戸から電動シャッタータイプにしたり等、暮らし方のご希望に合わせて提案し選定していき、工事になりました。

和室の腰窓
 この窓はたまたま障子が無い窓でしたが、外側は横引き雨戸があるタイプで、今回電動シャッター付きの引き違い窓に交換しました。 室内の塗り壁は出来るだけ触らないように窓枠はそのまま生かしつつ、電気配線を通す関係と、隣接する収納トビラの干渉から、木製の壁面を造作して(写真右側)収めています。

以上、ハツリ工法で窓リフォームするには、大規模な工事になる事、熟練した施工職人さんたちが必要な事、がわかります。

今は、カバー工法といって、外壁をいじらなくても対応可能なように、既存の窓枠にかぶせるタイプがあります。
費用や工期も含めて考えるなら、カバー工法の方をお勧めしていますが、和風住宅の場合は、カバー工法は難しいでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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