OSAKA KANSAI EXPO 2025
その3は、中東エリア +α(中央アジア)
中々、その国や文化に触れることがなかったとはゆえ、とても面白かったです。
これらは、見学したパビリオンを記録として残そうと思った個人的メモです。
01 サウジアラビア 館






サウジアラビア大国のパビリオンは
ノーマンフォスターとフォスター率いる&パートナーズの設計。
いつもアッと驚かされる建築は周囲を取り込みながら新しい解を教えてくれます。
今回もなるほど!と思わせるパビリオンでした。
展示ゾーン毎の立柱の建物が緩やかに繋がり、その国の空気感に包まれるようでした。
外装は薄い石なのか、「リヤドストーン」と呼ばれるもの。
所々のサービス動線用の門扉も蜘蛛の巣模様でオシャレです


サウジアラビアの建築様式に変遷をサクッと紹介されてました
(早すぎて映像についていけない)
暑い国でどうやって暮らしていっているのか?
伝統的な温度制御システムは断熱壁、高床式構造、工夫された窓の設計による。
これって日本でも取り入れられそうですよね。
重厚な日干し煉瓦の壁が温度上昇に時間が掛かるため、断熱壁の役割を果たしているそうです



マングローブの樹が二酸化炭素の吸収固定を行ってくれる。
様々な映像での紹介からは潤沢なオイルマネーを使って最新の技術や考えを取り入れている様子がよくわかります。
日本のアニメにも影響を受けたらしく、アニメも文化の一つになっているようです。


サンゴ礁の修復に3Dプリンティング技術を活用している、とのこと。
壁面のサンゴは3Dプリンターで作られたもの。どうやって修復になるのかよくわからないけど、そんな事ができるのね。。
オイルマネーであちこちに投資しての最新の都市や暮らしぶりが伺えると同時に、最新技術や英知をグローバルに集め展開していってる様子に、改めて驚いた次第です。
02 クウェート 館



パビリオンの中で1、2位を争う位、特徴的なパビリオン
設計はドイツ拠点の設計事務所LAVA
そのデザインと発信の中心的役割を果たしたのが、クリスチャン・サンダー・チャージッヒ氏
「先見の明かり」というテーマコンセプトで、飛び立つような翼が特徴的です









シンボルツリーは、「ネムノキ」?? サウジアラビア館にもありました・・・
左側からの通路がエントランス。狭めだが、壁面をミラーにしていて、隣の中国パビリオンの木質壁面が映り込んで思いがけずの雰囲気に。
エントランスの上は別ルートから入るエグゼクティブフロアで、一般人は入れません。
右側の2階部分にレストランが有り、動線計画もスムーズです。
ファサードにあったミニステージは何かダンスなどがあったのかな??
遠くから屋根形状を見ると、羽根の後ろ(真ん中部分)が盛り上がっていて、ドーム状のホール部分だとわかります。建物が全体的に有機的な骨組みと膜工法で出来ていることがわかります。
実は、別日にクリスチャン・サンダー・チャージッヒ氏の講演会を聴く機会があり、その時にこのパビリオンの設計について詳しく解説してくれたのでした。






展示は真珠のカタチの映像から始まり、過去から未来までをデジタルと体感方式で感じ取れる、思いの外、気持ちが高揚する内容でした。
クウェートの砂を触ったり、 静かな布で囲まれた空間があったり・・・ このカーテンのオブジェはシンプルなのに美しい布使いでした。
最後はプラネタリウムを寝そべってみる、という予想外の体験。
砂を固めたような緩やかな有機的な斜面に寝転んで見上げると、全身が脱力して純粋に星空を楽しめます。こんな風に星空を見上げるのは何時以来だろう・・・そんな気持ちになった体験でした。




別の日に行ったクウェート館のレストラン
右上の奥の方にあって、手前はテイクアウトなのでわかりにくいですが、人気で長蛇の列でした。
半屋外のエリアはテントと急ごしらえの?レイアウト。
中もかなりレイアウトがぎゅうぎゅうで、人の動線がかなりツライ、指定の席に行けない・・・
ベンチソファは造り付けで、多分、人気になってきたので詰めて座るようにしたんだろう。
ランチは幾つかのセットから、ラムマクブース
ラム肉は全然臭みがなく、美味しかったです。オーダーを取りにきたスタッフは片手に小さな決済端末で次々に決済。 短時間で料理がサーブされ、驚きでした。
このワチャワチャした雰囲気も含めて、今のクウェートなのかも、と思いながら楽しい時間を過ごすことが出来ました。
03 ウズベキスタン 館







中央アジアに位置するウズベキスタン。イランの北東方向に位置します。
私としてはイチ推しのパビリオン。
木の列柱が連なる迫力のパビリオンは、
建築デザインはドイツのアトリエ・ブルックナー
建設統括をスイスのNUSSLI(ニュスリ)が担当(クウェート館やスイス館も)
日本の設計担当は 徳岡設計 (スゴイ!!)
『知の庭』をテーマに教育や文化、クリーンエネルギー等の紹介
屋上部分には木の列柱が並び、日本国内各地から集められたスギの丸太(約8m)256本だそうです
閉幕後は解体してウズベキスタンに運んで教育に活用されるとのこと。
三角形の形は、『中央アジアの伝統的はお守り「トゥマール(tumar)」を想起させる縁起の良い形であり、「守護」の象徴』 だそうです。ナルホド・・・
細長いタイル積みが美しい
土・木・タイルと自然素材を使っていて落ち着きます。土壁も日本国内で用意。
近畿壁材さんのAWASOという塗り壁をオーダーメイドで作れるというもの。噂では聞いてましたが、オリジナルで作ってくれるのはいいですね。
入り口付近の天井のダウンライトが、よくみるとガラスのカバーが。波打つような陰影を演出?水のゆらぎのような柔らかい光が・・・細かい部分までこだわっている様子が伺えました。



館内は未来風の展示で、カッコイイ。 安藤忠雄が新国立美術館の設計に携わっている。
未来に向かって様々な方面からステップアップしようとしているのが伺えます






真近で見るスギの列柱は迫力有り、上部の梁がどのように組まれているのかとても興味深いです。
出口に向かうスロープ廻りの列柱は柱脚が浮いて見えて足元の加工がよくわかります
所々の陶器のベンチはターコイズブルーの深い色合い (サマルカンドブルー)
ウズベキスタンのマークは土壌と木を表わしている



三角形の先端にいってみた。気になるのよね。キレイ!






土壁にあった換気グリル。こんなのがフツーに有ればいいのにね
出入口付近のショップは ブルーのタイル、『サマルカンドブルー』と呼ばれるタイル。
この色合いがとても私は好きで、思わずスタッフにヒアリング。
このサマルカンドブルーはサマルカンド(地名)で作られる独自のタイルだそうで、ウズベキスタン国内のみの製造で輸入は無し。海外へは持ちださないと決められているそうです。
今回の万博では特別に持ち込んだそうで、全て向こうで予め作ってきたそうです。
少し色味にグリーンを混ぜて深みのある色合いにまとめているが、本来はもう少し幅のある色合い、とのこと。
うーん、そうか、輸入でも無理か。この色合いはかなり好きなんだけど・・
サマルカンドには一度行ってみたくなりました
木を使っている点、梁の構成、三角という幾何学模様、サマルカンドブルーのタイル、と私の一番好きなタイプかも!
04 カタール 館






外観は膜で覆われ、水盤の周囲から上手く独立した雰囲気を醸し出していました。
設計:隈研吾建築都市設計事務所 ナルホドです
鉄骨を木で覆って外側が膜。ついつい「本来の木造なら構造材も木で!」と思っちゃうけど、まあこういうのも有りなのかな。膜の内側のスクエアな建物は表層的に木板が貼ってある。色味が南洋系の赤みの入った木の色味にしてるので「これが中東の雰囲気」と思わせてしまう。
水盤は柱脚や建物と切り離して配置し、シンプルな納まりに。ここでもコストダウン?かスピード重視?なカンジがする。これも有り。
ガラスの筒管に色んな色の砂が入ってのサンドアート。砂の国ならではアート



場所はどこか?バーレーンの隣、サウジアラビアの東の海に囲まれた国。
2022年カタールで開催されたサッカーFIFAワールドカップは、主に東海岸の都会エリアで開催された
映像では砂漠の美しさと都会的な国であることをアピールしている
建物や展示はシンプル。この周囲のカーテン膜で壁面を覆う。



囲まれた湾岸を12のブロックに分けて紹介されてました。
各エリアは囲まれた箱状の中の展示なので小さい・・・
04 ザ・パール&リサイル地区 高層の有名建築が立ち並ぶ。
写真奥に見えるU型の特徴的な建物はカタルタワー。
それぞれの棟にラッフルズホテル、フェアモンドホテルが入る。W杯に合わせてオープンになったそうです。ゴージャスな内観はセレブに人気
03 ドーハ旧港&コーニッシュ地区 カタールの首都ドーハ。
ここがあのドーハの悲劇があったサッカースタジアムが有ったところね。。


カタールはバーレーン同様、以前は真珠の国。海に面して発展してきた文化がある。
今はオイルマネーでの富裕国。 デザインも洒落ていて、ショップは皆に人気でした
05 アラブ首長国連邦(UAE)館






巨大な列柱が印象的なパビリオン。なつめやし(デーツ)の枝葉を竹のように束ねられ、大きな柱になって空間を埋め尽くしています。再生可能な資源で構成されたシンプルで力強い空間は、UAEに対するイメージを一新させてくれました。
カーペットはジュート(麻)を材料に、日本で作ったとのこと。端部の処理の糸はナツメヤシの繊維を使っているそう
ナツメヤシの枝は太目で、屋外のベンチも切株のように利用しています。
てっきりオイルマネーでの成金趣味を見せられるのかと、勝手に想像していた固定概念の自分を反省。



湾岸によって砂の種類?色が異なるそうで、砂を見て産地がわかるそうです。
アラビアコーヒーを入れるポット
お香(ウード/パフール)を焚くための香炉
06 オマーン 館






もうホントに、中東の国が面白過ぎて、あちこち入りました。
オマーンは、真っ赤な外観。国旗の色であるREDが外観になっています
地理としては、UAEの右下、アラビア海に面している国
水盤の屋根が透明で、丁度夕立が降ってきて水の流れが見える。でも排水されてない??
雨が降らない国では、屋根の排水とか考えないのかな??
展示を見て出口を出た奥には、中庭らしきエリア。シャボン玉がラッパ状のところから出るらしい。
タープのような屋根で日陰作り。カフェでテイクアウトして、赤い部分に腰掛けて皆、休憩している



館内は映像であれこれと見せてくれました。
通路にはメッセージというか、諺(ことわざ)が日本語とアラビア語?で描かれている。
そのチョイスが面白い
07 バーレーン 館








バーレーン王国は中東のペルシャ湾内にある群島の国、だそうで、他のパビリオンが石油マネー潤沢という雰囲気が、このパビリオンはシンプルである意味質素な印象でした。
入場すると、奥まで続く長い階段があり、パビリオンスタッフとボランティアによるアラビア語と日本語通訳の二人の掛け合いの説明が面白くも有りました。
海に囲まれた国らしく、船をイメージして作られた建物のようで、木材を日本の技術も使って木組みで構成されているそうです。
内部はギャラリー形式で、その昔は真珠、その後は石油を経済の軸にして発展してきてますが、自国PRを出来ることをシンプルにPRしているのが逆に印象的でした。
豪華な、お金を掛けたパビリオンが多い中、ここはシンプルに徹していて、ある意味、好感が持てました。自国で出来る事、自慢できることが1つだけだとしても、それをアピールしていく。環境との調和を図り、未来を自分たち成りに考えていく。忘れかけていたことを教えてくれました。



階段の手すりも木製。それも手摺子ではなく面材でカーブをつけてる。ありそうでないかも。。
設計:リナ・ゴットメ 施工:真柄建設
08 トルクメニスタン 館





カスピ海の東、ウズベキスタンとイラン、アフガニスタンに囲まれた、
中央アジアに位置する共和制国家、トルクメニスタン。
中々、入国できない、観光できないと言われている国。興味深々です。
派手な外観は夜間でも煌々と光っており、独特の感性を感じる。
大統領の肖像画によるお出迎えで映像による自国紹介
シルクによる織物や鉱石など様々な展示がある。 鉱石らしき展示は多いが、金属鉱石は無いってウィキペディアに書いてあったけどね。。。 天然ガスの埋蔵量が世界5位らしい。。






ワンちゃんが国のシンボルのようです。馬も馬具の飾りみたいなのが派手です。
布の袋は豆や穀物を運ぶもの。
絨毯はシルクでセールで95万とか、ケタが違う。。
構成の展示などじっくり見たかったが、説明の文字が小さい。
こういうのは、全体的に各パビリオンへ指導してほしいなあ、と思った次第。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
【万博MEMOry ~EXPO note~ 】自分の記録として・・・・









