★★ HPリニューアル ★★ 

泉佐野 新井家住宅 ―登録有形文化財―

2023.11.19 秋が深まる頃、大阪府泉佐野市(大阪南部、関空の東方面)にある、
純和風住宅「新井家住宅」の  一日限りの一般公開に行ってきました。
    新井家住宅 https://arai-residence.com/

インテリアコーディネーターの大先輩(歳ではなく、経験値です!)にお誘い頂き、特別に随所の説明付きで堪能しました。
純和風住宅のお屋敷で、とても有名な住宅だそうで、私はこのあたりの和風住宅のリフォームなどの現地調査に数多く行ってましたが、高台にあり森に囲まれた雰囲気だったことも有り?! 存じ上げず、失礼しておりました。

今回の一般公開は、以前の台風の被害も少しあった為、修繕や一部リフォームなど行い、キッチンなどレンタルスペースにも使えるように整えられた為、広く公開されたようです。

 宅内は広く、庭も含めて大変見ごたえがありました。
座敷と奥座敷の、特に床の間は見たことがないぐらいのスケール感と繊細な組子の欄間の書院造りで、
当時の大阪商人の社交場となるよう造られた、というのも頷けました。

 (新井氏は大阪市北浜にも、「新井ビル」を建てられ、2022年に竣工100周年を迎えています。)
  https://arai-bldg.com/   

建てられたのは、1932年(昭和7年)着工、で1年半後に竣工 だそうです。

以下、細部の記録として   (無断転載、複製、転用などは禁止です)

玄関入ってすぐの「座敷」で2間続きです。書院造りの床の間の欄間飾りは組子で、裏側(縁側から)のほうに組子があり、
床の間側には障子が入っていて薄っすらと模様が見える、という奥ゆかしい演出としています。 

 迎賓館的にも使われていた奥座敷のほうです。床の間が、なんと1間の奥行がある。 当時の社交場として、
おもてなしに使われたそうで、確か当時の総理大臣も来られたとか・・・?! 

奥座敷の欄間たち  床の間横の書院造りの欄間は、一枚板を曲線のように彫って、漆で仕上げたようです(推測です)
写真真ん中は、奥座敷の2間続きの間の小壁の欄間、 
右から2つ目は、奥座敷の端っこにあったものです。 これは漆塗りはなくて、彫って一枚から作った様子がうかがえます。
どれも、曲線の形状なんですね。右端の写真はトイレの扉の明り取りの窓です。。
上の床の間の写真の、床柱の後ろの壁は、黒い枠で開けてますが、その形状が、イスラム調といいますか、たまねぎ形状の
宗教的な、もしくは当時の流行の舶来趣味だったのか、わかりませんが、とにかくちょっと和風ではない、と思います。
あ、でも神社仏閣でも見られる 擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)も、こんなたまねぎ形状ですよね。 なんだかクスっとさせられる随所の装飾です。 

これらは奥座敷の周囲の縁側です。補強を施したり、外部に「つっかえ」を施したり、と補強工事を行ったそうです。
 (HPの歴史の説明に記載有り)
右端の写真は、座敷エリアの縁側です。奥座敷の縁側と違って、シンプルなしつらえです。
まあ、座敷エリアは目の前には庭園が広がっているので、それが見どころでもあります。
奥座敷の方は、西側の(写真左から2つ目)縁側から、遠くに関空など海が見え、高台にあることを実感できます。
東側の庭園部分(玄関エリアでもある)と併せて、風情ある雰囲気を醸し出しています。

キッチンスタジオは、リフォームで作られ、レンタル空間としても利用できるようです。
既存の柱を生かして、素敵な空間に生まれ変わっています。

左端写真は、座敷からキッチンスタジオにいく途中の廊下にあった壁面です。ドアは昔にあった洋間へのドアです。
(洋間は撤去したようです) 変わった内装のテクスチャで、当時は新しかったのでしょうか。。。

写真 左から2つめ:キッチンスタジオからも見える坪庭、 3つ目:東側の小玄関、  右端の写真:蔵の入り口

写真左端:玄関の破風上の飾りは木製です。 銅板の屋根はアール形状で、これもちょっと変わってますね。
写真左から2つ目:右手の洋間に直接入る部分の玄関だったそうです。少し洋風な雰囲気がのこっています。
写真右から2つ目:小玄関の外観 普段はこちらから出入していたようです
写真右端:大きな門 大邸宅がわかる門構えです。 

今日は一日見学会、ということで沢山の方が訪れていました。現在の当主の方やご家族の方でご対応されていて、
ご対応に感謝感謝です。 すっかり夕方になり、最後まで居てしまい、恐縮でした。

由緒ある住宅とはいえ、登録有形文化財として維持管理していくのは、大変な労力、費用が掛かると思われ、ただただ、頭の下がる想いです。  
 とても見ごたえのある「新井家住宅」  https://arai-residence.com/  
 ぜひ、一度は訪れてみてはいかがでしょうか。 
   

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