2025 万博MEMO ry ~EXPO note~05 シグネチャーパビリオン

シグネチャーパビリオン

OSAKA KANSAI EXPO 2025 は皆さん楽しみましたでしょうか?
見学したパビリオンを記録として残そうと思った個人的メモです


その5編はシグネチャーパビリオン。 
万博のメインテーマである「いのちと未来」について、
8人のクリエーターがプロデュースする、リアルとバーチャルを融合させた体験型パビリオン。


このように説明されると、納得する面はありますが、いかんせん抽選に当たらない=入場して体験できない、ということで、せっかく力を入れたパビリオンや訴求ポイントが多くの人に届いたのかな?とモヤモヤした次第です。
そういう面では、テーマやコンセプトを表現した建物の外観は、とても重要だな、と思います。

目次

01 いのちの未来 (石黒 浩) ー入場ー

黒い大きな立方体から水が流れ落ちる様は、強いインパクトを与える外観です。

プロデューサー:石黒 浩 (アンドロイドロボットの第一人者)
建築・展示ディレクター:遠藤治郎

外観は定期的に水が滝のように流れ落ちる黒い立体物。水のヴェールは、外壁がポリ塩化ビニルとカーボンファイバーメッシュ膜の二重構成になっている外側を流れ落ちています。
流れ落ちる際にさざ波のように流れ落ちているのが印象的でした。(素材による特性を生かしているようです)
 
敷地との境界は水面として周囲から距離を保っている為、万博の中心エリアに有り、人も多く行き来する中で、存在感や独立性を保持していました。

真ん中の赤い壁は耐力壁の役割を果たしていて、その筒状の中に展示空間が広がっています。
アンドロイドの人間ロボットや、案内役のアンドロイドなど、最初はギョッとするけど見慣れたら、人間世界でも共存していけるのでしょうね。

ストーリーの一つは、高齢のおばあ様が、孫の為にアンドロイドになって命を繋いていって存在を続けるというストーリー。
命は続くけど、そのうち自分自身でこの世とオサラバしたい、と思うようになり、自分で命を決める、という選択に向き合う事になる。そういう未来を私達に見せてくれました。

凄い、といった驚きや、「こういうことで出来るんだ!」といった称賛の気持ちにはなりました。
一方で、感動した・エモーショナルな心を揺さぶられる、好きだなコレ、といった感情になるのは違う、という事でもある、と思いました。


シグネチャーゾーンはどの展示も、私には前者の気持ちばかりだった
な・・・

02 アースマート EARTH MART (小山 童堂) ー入場ー

EARTH MART 食のマーケットを通じて未来を考えるシグネチャーゾーンのパビリオン
プロデューサー:小山薫堂(こやまくんどう)(くまモンの生みの親)
設計:隈研吾建築都市設計事務所・大成建設(株)グループ

茅葺き屋根が特徴的な建物で、食を考えるあれこれの展示

世界で一番食べられている魚イワシの回遊を表現したり、
卵を日本人が一生で食べる量は約2万8000個、それをシャンデリアのように吊るして視覚的に表現している

世界の食べ物を色分けして瓶詰めして展示している。
他にも農業や家畜から私たちは命を頂いている、ということがよく判る展示群でした

色んな展示の中で、面白いと思ったのが、各国の家族の1ヶ月の食料を並べた写真(だったと思う)
アメリカなど富裕国と、そうでない国、都市部と農村部で食材が違うし量も違う。暮らしぶりも分かって面白い。

・アースフード25
世界に共有したい日本初の食のリスト、ということで米粉、餅、高野豆腐など、パッケージと共に紹介してて、パッケージデザインが面白かった。

全体的に凄く中身の濃い展示で私達にあれこれと提示し、考えさせられる事ばかり。

個人的には、もっとゆっくりと時間を掛けて見て回りたかった。

万博ではなく、美術館などの企画展としてやってくれるといいのに、と思った。
世界に発信する為には万博が良いのかも知れないが… スポンサーが付かないのかな?
万博の時だけが、未来の事や世界の事を考える機会ではないように思うけどね。

茅葺き屋根は全国5カ所から集めてきて専門の職人さん達が葺いたそうです。
屋根の構造が鉄ではなく木材を使ってほしかったなあと個人的には思いますが、まあ難しかったんでしょうね。

(後日談:万博終了後の「サーキュラーマーケット ミャク市」でこの茅、約285㎡分の譲渡先が決まった。大阪府豊中市の服部緑地にある日本民家集落博物館の民家に葺き替えられるそうです。)


03 Dialogue Theater -いのちのあかし- (河瀬直美) ー入場ー

映画監督・河瀬直美氏のパビリオン、いのちのあかし
京都と奈良の廃校の小学校を移築して、2階建てを3階建てにして息を吹き込む。(全部で3棟?)

右奥の校舎は2階建てのオープン空間として自由入場形式に。
よく見ると鉄骨で補強されている。 スゴイという想いとちょっと痛々しいカンジがした。
これは校舎自身は喜んでいるのだろうか・・・ 
(皆に見てもらう事はきっと喜んでいるとは思うけど) 

2階建てを3階建てにすると、全体プロポーションが変わってしまう。もちろん大きめに見えて、存在感や見た目のインパクトもボリュームアップすることで良いのだろうが・・・ 
(実は、こういう手法がこれからの建築の再生手法の一つになるかも? でも安全性とかクリアしないといけない事は沢山あるよね・・・)

銀杏の木も同様に移植したようです。下部はビオトープになってます

通常は1階のところが最初の集まるスペース。50名ほど集めてレクチャーとくじ引き。本日登壇するヒトを決めます。
その登壇者とモニターが対話をするというもの。

1階部分だった外壁部分がテラス外というちょっと変な感覚ですが、昔の木造の小学校の様子がよくわかります

階段も再現してますが、手摺が昔の高さだったため、手摺子の足を継ぎ足したそうです

木の板がスピーカーになる、ということで400年の杉板(大きい!)を共振させて音を出しているそうです

奥のホールに案内され、登壇者とモニターの向こうのヒトが対談するという進め方で、興味深々。。
私も楽しみにしていたのだが、『皆さんも自分の事と思って考えてみて』と言われ・・・
目をつぶって熟考したつもりがそのまま熟睡・・・ 
気が付いたら終わっていました・・あぁ‥ 残念・・・やっぱり疲れてる時に行ってはダメでしたね。。

04 いのち動的平衡館 (福岡 伸一) ー入場ー

生物学者・作家である福岡伸一氏プロデュース  「いのちを知る」がテーマ
設計は橋本尚樹建築設計事務所 

いのちは有限である。死があるから新しい生があり進化が生まれる。死もまた、いのちをつなぐ利他なのです。とのメッセージでした。
(石黒さんのパビリオンはいのちが永遠に続くと錯覚させていのちと向き合う。こちらのパビリオンは死を受け入れる。)

館内は光のインスタレーションを見る、というスタイル。
立ってみるのはしんどかった。長いと感じた時点でちょっとね。
LEDによる立体的なインスタレーションはスゴイ、とは思うけど感動はなかったな・・・・

今回はどのシグネチャーパビリオンもスゴイと技術面では思っても、感動したと気持ちが揺さぶられることはなかったな。(個人の感想です)
 
これはもしかしたら、私自身が未だ「いのち」について深く考えていなかったからかも知れません。 何気なく過ごしている毎日を、又、生かされている「いのち」を、大事にしていきたいです。

05 null 2 、 ほか 

null ² (ヌルヌル) 落合陽一 プロデューサー

西側 外観 

南側 外観

膜のような外装が音の振動でブルブル震えていて巨大スピーカーのよう。
ミラー仕立てで外の景色と同化しており圧迫感は無い。 
抽選入場は高倍率ゆえ叶わず。
設計者表記はここでは辞めておきます。表現表記には注意が必要と思った。ややこしい。落合氏は戦ってる模様。
振動に合わせて凹凸する膜は、今後注目の新素材かも知れません。

いのちめぐる冒険 河森正治プロデューサー

 設計は小野寺匠吾建築設計事務所 (OSO) 

コンクリートの箱が積まれた外観で、nullの向かいにあるので、ちょっと負けた感有り

(個人の感想です)

通常だとシンプルイズベストで良いのだろうが、いかんせんここは大阪、万博です。他の派手なパビリオンが沢山あるので、印象に残りづらい。通り過ぎてしまう。オープン展示は面白かった

いのちの遊び場 クラゲ館  中島さち子 プロデュース

@クラゲ館公式HP 建築フォトギャラリーより

いのちの遊び場 クラゲ館は、半分はオープンスペースで自由入場の広場、あとは抽選制のクローズドな空間の2段階構成のパビリオンで、オープンスペースのみ入場しました。
子供向けの楽しめる空間という印象。
 建築コンセプトは、「場を作る」ということで、「場」は常に変化する、という考えから、クラゲのように常に変化する生き物を想定した、ようです。 
 (詳しくは専用HP 
https://expo2025-kuragepj.com/architecture/#c01 

設計は 小堀哲夫建築設計事務所 で、有名な方です。 過去の受賞作品はオフィスなど硬い印象のイメージでしたが、今回のクラゲ館は有機的な空間が印象的です。

屋根部分の細い木材を使っての表現は、サスティナブルを意識してる事が伺えます。
個人的には、一点主義的なアート空間よりも再現性のある(他でも同様に創れる・応用できる)建築に共感するタチゆえ、ついついそのような目で見てしまいます。 アートとして見るという視点に立つなら、それはそれで良いのですが。。
なので、これは小堀さんらしいのか??といった感想を持ちました。 
まあ、入場した子供たちが皆、楽しそうにしているので、これは成功なんだろう、と思った次第。

Better Co-Being    宮田 裕章プロデューサー

https://co-being.jp/expo2025/architecture
写真は 専用HP より ©SANAA 

データサイエンスの第一人者、宮田 裕章氏のプロデュースによる。
建築は あのSANAA です。 
アートプロジェクトとして、複数の方が関わっている、力の入ったパビリオン。

屋根も壁も無い、「境界を溶かす空間」の中を、不思議な石を持ち、入場者がグループを作って巡る体験型パビリオン、とのこと。

抽選制で当たらない。一日500人未満?入場者10万人に対して0.5%しか見れない。これでいいのか??と思っていたら、会期後半には夜の先着順観覧が有る。でも並べないほど一瞬で、先着順も締め切る。残念。。。
コンセプトもアート表現も大事だとは思いますが、多くの人に見てもらってナンボ、では?? と大阪人は思ってしまったのだ。 この万博のメインテーマを表現しているであろうパビリオンなだけに、見れない私は口惜しさイッパイでした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

【万博MEMOry ~EXPO note~ 】自分の記録として・・・・

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