2025 万博MEMO ry ~EXPO note~02  欧州その2

万博note

OSAKA KANSAI EXPO 2025  
見学したパビリオンを記録として残そうと思った個人的メモです

その2は、続けて欧州を紹介。 イタリア館など歴史や文化から、厚みのある展示が多かったです

目次

01 イタリア 館 

超人気のイタリア館、約6時間並んで入場できました
(8月の真夏、東ゲート10時入場。この日の目的はイタリア館に絞ってました。夫と交代でお昼を買いに行ったりして携帯イスに座りながら。2時間以上掛かる、のアナウンスしか無くて、4時間越えた頃には意地しかありませんでした)

コロッセオ(円形競技場)が見えるような建物は、まるで扉を開いて「さあ、開場しました、welcome(Benvenuto!)」と出迎えてくれているようです。

木造で、逆トラス梁方式で大空間を造る建築方式で環境配慮が伺えます。
扉だと思った面は、メッシュの糸状のもので、一瞬、竹小舞(土壁の下地)を思わせる和の雰囲気も漂わせていました。

地面部分には小さな照明が埋め込まれていて夜間はライトアップしてキレイです。
黒いスクエアな鉄板は、CLT(集成材による木の構造材)の長方形体の柱を2本抱き合わせているプレートのようです(推測)

歴史的な偉業紹介(飛行機など)から現在~未来の話などを映像と展示で見せている。
造形的に面白いと思ったら、核融合炉のようでした。これが今のイタリア。

心臓が並び、ドクドクと動く映像と相まって少しづつ形を変えた(実際の動きに準ずる)臓器が円形に並ぶ。
コマ送りアニメーションをこちらが歩いて視覚的に体感する。
粘土で心臓を作ってデジタル化で動きを3Dアニメーション化して、その各モデルから石膏型を取って粘土を流し込んで陶器として再現する、というもの。(3Dプリンターで作れそう)

円形で続く様子が継続や無限を表している。段々こちらがドキドキしてきた.

『ファルネーゼ・アトラス』
全くの無知でして、初めて拝見しました。紀元2世紀の大理石彫刻で日本初公開です。ナポリ国立考古学博物館蔵の世界的文化遺産。ファルネーゼ家の収集したコレクションの一つ。作者不明。 

高さ約2m、重さ約2トンの大理石製。複製無し。
ギリシャ神話の巨神アトラスが天球を支える。天球にはプトレマイオスの天文学論にもとづく星座・黄道十二宮・子午線などの浮彫が施されている (以上、ウィキペディアより)

飛行機の展示
1920年にローマから東京への初飛行!の際の航空機の骨組みを再現。
もう一つの見どころのミケランジェロのキリスト像やレオナルドダヴィンチの素描などもありました。

イタリア館は『本物』に拘った展示で、他所が映像やAI等を酷使して表現PRしているのとは対照的で、でも過去の栄光にしがみつくのではなく、偉人達から学び未来へ活かすことを静かに教えてくれているようでした。

ホンマタカシ

ホンマタカシ

伊藤節&志信

後半はモレスキン(手帳で有名)のアート作品の巡回展をこのイタリア館で期間限定で行っていました(後で知った)
最初は何だろうと眺めていましたが、あれ、私の好きなアートワークやん、とのめり込んで見ていて・・・ 学生時代にはこのアートワークに四苦八苦したなあ~と思いながら、じっくり見てましたが、、、なんせ6時間並んでたので疲れている・・・ 夫は早々と離脱。私も見たい気持ちと、なぜ今ココで?と思いながら、ゆっくり見たい気持ちを抑えながら早々と会場を後にしました。

トルド・ブーンチェ

塩田 千春

フランシス・グッドマン

隈研吾

リンダ・ド・ティ

ロベルト・クレア

川崎和男

パスカル・マルティーヌ・タヨウ

ジョアナ・ヴァスコンセロス

蜷川実花

松崎 陸

カルロ・スタンガ

リーブリ・フィンティ・クランデスティ

セバスティアーノ・マウリ

他にも沢山有りましたが、私が特に惹かれたのは、紙の手帳を立体的に変貌させていっているもの。手帳というと時系列的記録、だけど心象風景だったりする。
様々なアーティストが捉えた、モレスキン手帳 でした。

屋上の庭園は、ここが万博であることを忘れてしまうような雰囲気。
なぜなんだろうと考えながら歩く。周囲が立て込んでいる事もあるが、樹木と手摺高さが胸元付近まで有り(H1300~1400?)囲まれた感(ホールド感)が強い。下の下界は見えない。
見えるのは遠くに大屋根リングと空ばかり。
脳内がリフレッシュされて、この高さや視界に癒されました

屋上との行き来の階段から、屋根裏や外壁裏側が見える。必要以上に覆うことはせず、骨組みがむき出しでシンプル。 大空間にするための逆トラス工法が見える。
シンプルで力強く、静かに未来に向けて訴求する姿勢に脱帽しました

02 ベルギー 館

ベルギーと言えばビールとチョコレート、ぐらいしか知らない私。
大きく3つの地域から成る連邦立憲君主制国家。 
首都ブリュッセル首都圏地域(EUの首都とも言われる)
フランダース(フランドル)地域(北部)ワロン地域(南側半分)の3地域

・Carre7(設計事務所)と光井純アンドアソシエイツの設計

人間の再生をテーマに水の三態(液体・固体・気体)とベルギー3地域を表現 とのこと。
 建物の境界には水盤。それが反射して軒天井に映っているかのような天井は凹凸のあるミラー天井に間接照明を配置して水の揺らぎを表現している。

最初の展示で上から水が滴り落ちてくる様子を表現(これは糸にライトが点滅して落ちてくるような錯覚にしているようだ)
金継ぎをヒントにしたビジュアル製作 とのこと。
金継ぎ、がダイレクトに表現されているわけではなく、ゴールドや金箔、などを使ったビジュアルと人物彫刻像での表現。
洋風なのに和風というかジャポニズム的な雰囲気がしたのは金継ぎというコンセプト故か

ボールを持つ像の後ろのスクリーンでメッセージを流すが、壁面模様になったり、
奥行のある空間を映したりと、建築空間として魅せる事に拘った様子が伺える(他所は自然の景観が多い。環境配慮テーマからはそうなるが、人間や命をテーマにして、健康やヒトに焦点を当てた展示として他所にはない個性を感じた)

下から見上げた雨のツリーはガラスの天井に吊ってある。上部に太いパイプは見えず、細いワイヤー吊りで軽やかさを演出している

屋上ガーデンは見晴らしもよく、運よく夕暮れ時で最高のロケーション。斜めのスロープは立ち入り禁止で非常時の避難経路か。まるで滑走路のよう。
 海外のパビリオンはどこも外部空間の取り込みが上手い。屋上など屋外に出る=視界が広がることでグッと気持ちが変わる。これが大事。良かった想いが刻まれるエピローグ空間となる。

ガラス天井を囲むようにカフェレストランが有る。テイクアウトして飲んだビールは美味~ 

外装は実は映像スクリーンになっていて、夜はそれがよく判る。
ルーバー状の映像が本当に日射遮蔽も出来ればいいのになぁ
とにかくベルギー館は良かった。環境とかエコとかは置いておいて、木の空間とは別に、

好きなタイプである。

03 ハンガリー 館

セービングゾーンでは人気で、いつも長蛇の列のパビリオンでした。
建物は、表層はリボンのようなテープ状のものがヒラヒラとついていて奥の方にドーム状の屋根がみえる木材を使った建物、です。ヒラヒラしたものが軽やかに見え、木の質感っぽいのに軽やか、といった印象でした。

いくつかのパビリオンは、このように表層部分と展示用建物に分けて作られており、環境配慮やリユース・施工解体が容易などを考慮したように見受けられます。
 これからの建築や住宅もこういう方向性のモノも出てくるかも知れませんね。

ガラスアートの展示は美しく、複数枚のガラスに少しづつ描いた(エッチング?)絵を光を下から当てて浮かび上がらせています。下から(多分)ガラスを一枚ずつ順に当てることで絵が変化していくように見えます。これは素晴らしい。

メイン空間に入る前にはガラスのシャンデリア。チューリップのようなシンプルで可憐な光。
ハンガリーの国花はスズランの花 。

メイン空間では座った観客のセンターに白い衣装の方が。ハンガリーの伝統民謡を歌われました。
静かに時に力強く、時に躍動感のあるその歌に皆、引き込まれました。
手の動きがドームの天井の無数の星の動きと連動して、空間全体が一体化していきました。
約7分間のパーフォーマンスは圧倒的でした。

04 ポーランド 館

万博公式サイトより 

 万博公式サイトより

ポーランド館は木の木っ端(といっても集成材の大きなもの)を組み合わせて壁面を作っている
(骨組み材は別にあるのか?)
壁面が湾曲しながら自立している様子は実はすごい。横架材の梁が見えない。
構造設計は 佐藤淳構造設計事務所、ナルホド

展示は五感で感じ取るというコンセプト。館内に入ると木材の香りが・・・
四季折々の植物の変化をガラス球で表現したアート。
ほうきのようなものが壁面で動いて、音を鳴らす。それが音楽となって奏でるというもの。

あとは未来へ繋がる様々な展示として、食や医療、化粧品など多岐にわたるモノの紹介。
最後は、最初にAIで各自が作った花束がスクリーンいっぱいに映し出されてました。

屋外のベンチもエコ仕様。
太陽光パネルと、そこから携帯へ充電できるようになっている。
音楽のショーもあるようで癒しのパビリオンでした

05 チェコ 館

チェコスロバキアは以前の連邦国家で、今はチェコ共和国とスロバキア共和国 そのチェコ共和国のパビリオン
 館内はスロープで登っていく回廊式になっていて、途中に下階との吹抜けがある。
外装のガラスはボヘミアンガラス(ボヘミアクリスタル)
全体的にアート推しの展示

アルフォンス・ミュシャは、チェコ出身でフランスで活躍した、知らんかった・・・ 

建物はCLTという高強度の集成材構造用パネルと使っている。
っが、全部CLTとの説明だけど、鉄骨造だよね、これ。

パビリオンの展示はこのようにアートで魅せる展示と、自国の産業・文化のPRに分かれる

屋上のカフェは気持ちよさそう

06 マルタ 館

マルタ共和国のパビリオンは全面に映像を使って建築を見せる、風景に同化する、という試みでした。 石積みや建物の部分を映像で映してみると、今まで平たくのっべりとしていたスクリーンが立体的に見えてくる、という錯覚に陥ります。未来の壁はスクリーン膜かも知れませんね。

館内最初のコーナーでは、スタッフ(キャスト)が西洋と日本の甲冑の話をしてくれました。 いくつかのパビリオンは、このようにキャストが頑張って盛り上げてくれる所が有りました。
キャストの頑張りがこちらにも伝わってきて温かい気持ちになります。

マルタ共和国の文化を紹介する展示
 ガヌテルアートというお花を作る伝統工芸や、アップサイクルされた素材によるアート、カリグラフィーなど細やかな文化が有ることを知れた。
 マルタはどんなところだろう、と漠然としたイメージを持ち続けていた私。昔の村上春樹ファンとして、マルタを少し知る事が出来ました^^

07 北欧 館

北欧5ヵ国の共同出展のパビリオン(デンマーク王国、フィンランド共和国、アイスランド、ノルウェー王国、スウェーデン王国 国旗左から)

建物はイタリアの建築家ミケーレ・デ・ルッキ。杉を使った外観は、全体がドーム状の大きな山小屋風。オール木造だと思ってたけど、鉄骨造に木の装飾を施した とのこと。

内部は北欧の家具メーカーのものが幾つか有るようだが、説明が無く・・・ 
見たことのある椅子は安藤忠雄のデザイン。

館内は映像で各国の技術や未来への取組み、環境配慮などを見せている。
サーキュラー状の紙のようなスクリーンに映像が映し出されていて、暮らしの様子などの紹介。

ちょっとわかりにくいかも。
人が多くてよく見れませんでしたが、他にもカフェや会議室(商談用)など有り、木質感いっぱいの空間だったようです
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最後までご覧頂き、ありがとうございました!

【万博MEMOry ~EXPO note~ 】自分の記録として・・・・

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